超絶リアルでハイクオリティな動画を、なんと「文字」や「写真」から生成できちゃう「Runway」というツールをご存知だろうか。
最近、そのRunwayから「Runway Gen-3 Alpha」というさらに精度の高い動画を生成できるバージョンが公開された。
本記事では、その「Runway Gen-3 Alpha」について正直レビュー&解説していく。
(実際にUnlimitedプランを契約!)
Runway:https://app.runwayml.com/
監修者:塚本航大(つかもとこうだい)
関西大学、外国語学部卒業。アライドアーキテクツ株式会社(証券コード:6081)、トランスコスモス株式会社(証券コード:9715)を経て、alpenglow株式会社を2023年8月に創業。
保有資格:TOEIC810(2023年1月時点)、Webディレクター検定(2022年)など。
Xアカウント:https://x.com/bradlizkodai
そもそもRunwayとは?無料で使える?
Runwayは、ブラウザやアプリで使用できる動画生成AIツール。
主な使い方はこちら▼
・画像をアップロードして、動画化してもらう
・テキストを元に、動画を生成してもらう
しかし、これだけで満足してはいけない。
なんとRunwayには全部で29個もの機能が搭載されている。
それぞれの詳しい解説は割愛するが、ぜひ使ってみてほしい。
ちなみに、筆者はUnlimitedプランを利用したが、「Explore」モードだと、クレジットを消費せずに動画を生成できる。
1本の生成にかかる時間は、おおよそ1分〜2分ほど。クレジット消費するモードだと、30秒ほどでした。
機能名 | 詳細 |
Text/Image to Video | その名の通り、画像やテキストから動画を生成する機能です。Gen-1〜Gen-3まで選べます。 |
Video to Video | さまざまな素材を参照して、1つの動画を新しい動画に生成する機能 |
Generative Audio | 音声を生成する機能。 本当に海外の方がナレーションしているかのようなクオリティの音声を生成できる。 |
Lip Sync Video | アップロードした画像や動画の人物が、入力したテキストに合わせて唇を動かす機能。 |
Remove Background | 動画の人物を切り取り、背景削除できちゃう機能。 もはやグリーンバックは必要なし!? |
Text to Image | 画像を生成する機能。 画像生成AIのMidjourneyと比べても遜色なし。 |
Image to Image | すでにある画像を、テキストプロンプトによって、新しい画像へと生まれ変わらせる機能。 |
Infinite Image | その名の通り、テキスト指示によって画像を無限に拡張していく機能(無限かは不明)。 |
Expand Image | 画像を一定サイズに拡張する機能。 |
Frame Interpolation | フレーム補完機能。動画のフレームレートを補完し、よりスムーズな動画にできる。 |
Erase and Replace | 画像の選択部分を削除したり、別のものの入れ替えたりできる機能。 |
Backdrop Remix | 写真の背景を別の背景にできる機能。 |
Image Variation | ひとつの写真をいろんなバリエーションのテイストにしてくれる機能。 |
3D Capture(Beta版※2024年8月時点) | 360度で撮影した素材から、3Dモデルを生成してくれる機能。 |
3D Texture | 文章から3Dの立方体or球体のテキスチャーモデルを生成できる機能。何に使うかはよく分からない。 |
Inpainting(Beta版※2024年8月時点) | 動画から人物や物体を消す機能。 |
Colore Grade[LUT] | 文章から簡単に動画に独自フィルターをかけられる機能。 |
Super-Slow Motion | その名の通り、動画を超スローモーションにできる機能。 |
Blur Faces | 動画の中の人物素材を自動検知し、ぼかしをかけられる機能(めっちゃ便利そう)。 |
Depth of Field | 上記と似てて、動画の深度(しぼり値)を調整し、いい感じにぼかしをかけられる機能。 |
Scene Detection | 動画を分析し、勝手にシーン分けしてくれる機能。 インタビュー動画とかにめっちゃ便利。 |
Extract Depth | 動画から深度マップを作ってくれる機能。 使う人はかなり限られる。 |
Clean Audio | 音声データや動画データから、背景ノイズ音を消してくれる機能。 |
Remove Silence | 音声データや動画データから、音がない部分を自動カットしてくれる機能。 |
Transcript | 自動文字起こし機能。 ただし、日本語は未対応(2024年8月時点)。 |
Subtitles | 動画を分析し、自動でそれっぽい字幕をつけてくれる機能。 |
Add color | 白黒写真をカラー写真にできる機能。 |
Upscale Image | 画像の解像度を上げられる機能。 |
Motion Tracking | 動画の中に動く物体を認識し、モーショントラッキングしてくれる機能。 |
Runwayの料金プラン
Runwayの料金プランを、日本語にしてまとめた表だ。
Basicプラン | 無料 | ・クレジットを追加購入不可 ・Gen-1 および Gen-2 では透かしを削除したり、解像度を上げたりできない ・Gen-1(ビデオからビデオ)最大4秒、Gen-2(テキストと画像をビデオに)ビデオ拡張により最大16秒の動画を生成できる ・3 つまでのビデオプロジェクト ・5GBまでのアセット |
Standardプラン | 15ドル | ・サブスクリプション開始日から毎月 625クレジットが付与 ※必要に応じて追加購入可 ※クレジット繰越不可 ・Gen-3 Alpha(テキストと画像をビデオに)最大10秒 ・Gen-1とGen-2の解像度を向上 ・Gen-1、Gen-2、Gen-3 Alphaの透かしを削除します ・Gen-1(ビデオからビデオ)最大15秒 ・Gen-2(テキストと画像をビデオに)ビデオ拡張により最大16秒 ・無制限のビデオ編集アセット ・100GBまでのアセット |
Proプラン | 35ドル | ・サブスクリプション開始日から毎月 2250 クレジットが付与。 ※必要に応じて追加購入可能 ※クレジットは繰越不可 ・Gen-3 Alpha(テキストと画像をビデオに)最大10秒 ・Gen-1とGen-2の解像度を向上 ・Gen-1、Gen-2、Gen-3 Alphaの透かしを削除します ・Gen-1(ビデオからビデオ)最大15秒 ・Gen-2(テキストと画像をビデオに)ビデオ拡張により最大16秒 ・無制限のビデオ編集プロジェクト ・500GBまでのアセット ・リップシンクとテキスト読み上げ用のカスタム音声を作成可能 |
Unlimitedプラン | 95ドル | ・Pro プランのすべての機能に加えて、次の機能が含まれます: ・探索モードでは、Gen-1、Gen-2、Gen-3 Alpha で無制限に生成可能 ※探索モードでは、サイト全体のトラフィックに応じて、生成に時間がかかり、同時に実行できる数が制限される場合があります ・クレジットは、サブスクリプション日から毎月2250リセット ※必要に応じて追加購入可能 |
Enterpriseプラン | 要問い合わせ | ・Pro プランのすべての機能に加えて、次の機能が含まれます: ・シングルサインオン ・カスタムストレージ ・モデルのカスタマイズ ・アセットの整理/カスタマイズ機能 ・高度なセキュリティとコンプライアンス ・企業全体のオンボーディング ・継続的な成功プログラム ・優先サポート ・社内ツールとの統合 ・ワークスペース分析 |
Runway Gen-3 Alpha|実際に使ってみた感想
実際にRunway Gen-3 AlphaのUnlimitedプランを契約し、「どのような動画が生成できたのか」「精度や使い勝手はどうだったか」確認していこう。
使用する機能は「Text to Video(文章を動画に)」、今回入力したプロンプトはこちら▼
A middle-aged Japanese man is giving a presentation in a conference room.
中年の日本人男性が、会議室でプレゼンテーションをしている。 プレゼンテーションは、マーケティングについてだ。
The presentation is about marketing.
▼良かった点
・リアルな日本人男性の生成ができている
・自然にズームされており、プロンプト通りの映像になっている
▼まだイマイチな点
・プレゼンテーションの言語が日本語ではない
・指の表現がグチャグチャ
次に、「Image to Video」を使ってみた。
Imageは、同じくRunway Gen-3の「Text to Image」を使用。すると4枚中3枚がなんとアニメーションに…!?
今回は右上のアニメ風画像を用い、先ほどと同じプロンプトで試してみた。
その結果がこちら▼
少し3Dチックですが、リッチなアニメーションに。
▼良かった点
・アニメーションかつ引きの絵になったことで、指の崩れなどがなくなった
・色の表現が自然で、YouTubeなどに使用しても遜色のないクオリティ
▼まだイマイチな点
・アニメーション全体に違和感あり
・途中でイラストのテイストが変わってしまう
最後に
「動画生成AIによって仕事が奪われるのではないか」と懸念するクリエイターの方もいるかもしれない。
しかし、「このシーンは、この構図にしよう」「ここはAIと実写を使い分けよう」といったように、人間の審美眼は必ず必要だ。
このメディアでは、AIを使いこなし、新しいキャリアを築く方法について引き続き模索していく。